ADHD ホッファー先生のケースレポート・・・ナイアシン/ナイアシンアミドで黄疸が出現

 

ケース16

B.C.は1961年3月生まれで初診は1970年9月。

5歳の頃から過活動で不注意、罰にも平気で反抗的、トラブルが多かった。9歳頃までにはさらに悪化。

学校では平均的な生徒であった。空中をにらんでいることが多く、人々が夜中に彼の寝室を見ていると信じていて、部屋の隅のコーナーに何かいるのを感じて恐れていた。予知夢をしばしばみた。

毎食後1グラムのナイアシンアミド、ニューレプチル5mgを夕食後に開始された。初診から1971年1月までに食欲が改善、恐怖感の減少、5ポンドの体重増加があった。1972年8月腹痛を発症。12月にはビタミン(ナイアシンアミド)を減らし、ピリドキシン250㎎を開始した。4か月間ほど薬剤不要になった。かわりに毎食後ナイアシン1グラムを開始。1972年8月29日、いまだに2週間おきの腹痛があった。イミプラミン25㎎を眠前、ペリアクチン4㎎を必要時に開始。 その後、黄疸、皮膚のかゆみ、粘土色の便、濃い色の尿がでるようになった。ビタミンB3の中止により黄疸は改善した。ナイアシンを再開すると黄疸もぶり返した。母親は(ピリドキシン250mg投与下で)、体調が悪化したならイノシトールナイアシンを与えるようにアドバイスされた。彼は好調なままだった。

過活動スコアは69点から47点へ(1970年9月から1973年8月にかけて)。評価はnormal

 

私はナイアシンあるいはナイアシンアミドを用いた小児で黄疸が生じた例を2例経験した。しかし、イノシトールエステルでは全くそのような経験はない。1例は、ナイアシンでもナイアシンアミドでも黄疸を起こしたが、その後にイノシトールナイアシンを用いて改善した。2例ともB3の中止後に、黄疸は完全に改善した。

おそらく、速いビタミンの血中への放出は、肝臓酵素の反応を引き起こすのだろう。ゆっくりと放出されるイノシトールナイアシンはこのような反応を起こさないのであろう。

 

コメント:サプリメントだから安全、とは言えない。恐れすぎる必要もないが、当然、注意しながら行う必要があるだろう。