腎動脈狭窄症について
広島市内科医会報より 2026年2月号 上田 浩徳先生
①60%以上の腎動脈狭窄を示す場合をRASという。
②日本では、カテーテル検査をうけた患者の7%に認めた。
③腎血管性高血圧を伴うFMD(fibromuscular dysplasia:繊維筋性異形成)は一般住民の0.4%と推定される
④片側性腎動脈狭窄・・・RAA系が亢進(高レニン血症)、狭窄側の腎臓は萎縮し、機能低下を来す。一方で、非狭窄側は血圧上昇から腎還流圧の増加で圧ナトリウム利尿が亢進しRAA系は抑制されるが、この病態のまま高血圧未治療で放置すると、非狭窄側の腎臓は高血圧にさらされ、代償的腎臓肥大と、糸球体血圧の上昇から糸球体硬化が進み腎機能低下を来し、末期腎不全となる。
⑤両側腎動脈狭窄・・・両側腎臓とも腎潅流圧・潅流量の低下から、圧ナトリウム利尿が障害されるため、ナトリウム排泄障害からの体液貯留型高血圧となる(RAA系は抑制され低レニン状態)。進行性に腎動脈狭窄が進行すると、両側の腎臓とも萎縮し、機能低下から末期腎不全となる。
⑥腎動脈狭窄性高血圧を疑う⑴30歳以下または55歳以上に発症した重症高血圧⑵急に増悪する高血圧や悪性高血圧⑶突然の肺水腫⑷利尿剤を含む3剤以上を投与しても治療抵抗性の高血圧⑸ACE阻害薬またはARB開始後の腎機能障害の増悪⑹低カリウム血症(腎機能低下があるにも関わらず認められる低カリウム血症)⑺腎サイズの左右差(1.5cm以上)⑻腹部の血管雑音の聴取⑼冠動脈狭窄症などの動脈硬化性病変がある患者。
⑦腎動脈ドプラーエコーが有効。peak systolic velocity が180cm/sec以上
⑧FMDは82%が女性で、平均年齢46歳。86%で高血圧を呈する。
⑨バルーンやステントの治療がある。
➉動脈硬化性腎動脈狭窄が多い。