ビタミンDによる子宮筋腫治療の可能性
https://ameblo.jp/matsubooon/entry-12075631876.html松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログより引用
興味深い記事です!!
Fertil Steril 2015; 104: 698(米国)
要約:ビタミンDと子宮筋腫に関する論文をレビューしました。アフリカ系アメリカ人は、白人と比べ、子宮筋腫の頻度が2~3倍と高く、ビタミンD欠乏症が10倍多いことから、ビタミンD欠乏症と子宮筋腫のリスクに関する研究が始まりました。ビタミンDへの反応は核内のビタミンD受容体(VDR)を介してVDRE(Vitamin D response element)と呼ばれる一連の反応を調節しています。2013年以降に、ヒトでの疫学研究から、ビタミンD欠乏症が子宮筋腫のリスクを増加させることが明らかにされました。動物実験により、ビタミンD3が子宮筋腫のサイズを縮小させることが確認され、そのメカニズムとして、子宮筋腫の細胞増殖および分化に関与する遺伝子に変化をもたらすことが報告されています。具体的には、繊維化抑制(TGF-b3、ECM関連、collagen type 1など)、アポトーシス増加(Caspase 3、BCL2など)、細胞分化抑制(CDK、PCNA、Mycなど)、細胞再構築(MMP、TIMPなど)をもたらします。したがって、ビタミンDおよびビタミンD3による新たな子宮筋腫の治療戦略が考えられます。