ADHD ホッファー先生のケースレポート・・・8歳男児。読書が苦手

 

ケース85

A.U.は1963年11月生まれ、1972年5月初診。記憶のある限りずっと文字と物がひっくりかえってみえることに苦しめられていた。とても落ち着きがなく、そわそわし、イライラして容易に動転した。文字は震え、互いに衝突し、数字は裏返しになり、鉛筆はへびのようにうねっていた。魚やくじらや別の怪物の幻覚が見えた。両親が周りにいないのに、両親に呼ばれる声が聞えた。非現実感があった。1月にInstitute of Child Guidance and Developmentにて検査を受け、治療的訓練を受けた。2か月のの間に7か月分の読書スキルの進歩があった。終了時点では6歳10か月のスキル(年齢が8歳5か月時に)であった。私は毎食1グラムのナイアシンアミド、ピリドキシン250㎎を朝夕を開始してもらった。2か月のうちに、かなり良く読めるようになった。文字はもう動かなくなった。しかし数字はまだ裏返ったままだった。第3学年へと進級し、学校がもっと楽しくなった。1972年8月21日までにすべての知覚異常はなくなった。よりリラックスして調和がとれるようになった。1972年11月20日、読書はまだゆっくりで、たまに怪物をみることがあった。1973年6月12日、正常に読書ができる。しかし算数はまだスピードがなく、BとDは裏返っていた。かなり改善を認めていた。1973年8月23日、ジョン・ホッファーはmuch improved(1,0.5,1)と評価した。まだ少し読書が難しく、他の子供との関係性にいくらか問題があった。砂糖の摂取はいつも彼を悪化させた。彼は普通学級の4年生へ進級した(1年遅れで)。過活動スコアは45から34、49へ(1972年3月22日から1972年11月20日、1973年8月23日にかけて)。これらはほぼすべて正常に近いスコアである。

1973年8月23日、担任は母親に以下の手紙を送った。

”A.U.は年初に比べ、ずっと自分に自信が持てています。何かするべき課題が与えられると、以前は「私はそれをしなければなりませんか?」と質問していました。今では自ら進んで課題に取り組み、自分がうまくできることがある事を知っています。書字と理解力がとても改善した。彼は今は読書が好きです。知らない言葉があると、自分で聞きに来るようになりました。以前は知らない言葉は飛ばしていました。読書のクラスへ半日ほど行っています。これはとてもよい変化をもたらしていると思います。集中すること、集中する時間には困難さを感じています。彼は物語を声に出して読むときに、集中できず、自分で作った物語を話し始めます。彼はすべての動物が好きで、動物について話すことも好きです。静かな生徒で、他の子供たちととてもうまくやっていけています。”

1963(??)年1月13日、第三学年の担任によると”着実に進歩しています。”

彼に残された唯一の問題点はつづり方であった。

コメント:このケースの経過は1年3か月ほどである。少しづつ改善していったことがわかる。

文字が動いたり、反転して見える子供はたくさんいるのだろうか?