ペラグラ

ニッケイメディカル ニッケイメディカルクイズより

73歳男性 露光部に多発する落屑・かひ・びらんを伴う紅班
20歳ごろから1日4合程度の飲酒を続けていた。2ヶ月前から発症。ステロイド外用の効果を認めない。

 

診断 ペラグラ
ニコチン酸欠乏にいたる背景としてアルコール多飲が6割を占め、2割程度に胃切除術の既往がある。皮膚症状は露光部や物理的刺激を受けやすい部位である手背や前腕、顔面、頚部などに対称性に分布する。頚部から前胸部の頚飾り様の皮膚疹は特徴的でCasal’s Necklaceと呼ばれる。

鑑別 晩発性皮膚ポルフィリン症、亜鉛欠乏症、壊死性遊走性紅班(通常グルカゴノーマを伴う)、光線性皮膚炎(光線過敏症)

 

コメント:「光過敏性」がキーワードになると思う。(ドラキュラ伯爵ペラグラ説がある。)光線過敏があれば、まずビタミンD不足は深刻だろう。さらに、栄養状態が悪いので、亜鉛の不足も合併しているだろう。アルコール多飲者はビタミンB群もひどく不足する。

このように考えると、診断名を考えるより、不足している栄養を考えたほうが実際的かもしれない。(治すためには)

いくつもの栄養失調が重なって、いろんな表現(疾患名)が出てくるのではないか。

 

ペラグラ=ドラキュラ?