食物蛋白誘発胃腸炎

ドクターサロン 2025年11月より

・一般的な食物アレルギーは皮膚や呼吸器に症状が出ますが、そういう症状がなくて、嘔吐や下痢という消化器に症状が出るタイプ。

・乳幼児がおなかが痛いとか、嘔吐する病気。

・食後2-3時間経過してから嘔吐が出るため食物との関連を疑われない。

・昔は牛乳が原因の場合が多かったのですが、現在では鶏卵、特に鶏卵の成分の中でも卵白ではなく卵黄に反応する方が多いといわれています。

IgEは関与していない

・赤ちゃんの粉ミルクで嘔吐する場合。

・だいたい2-3時間で嘔吐が出て、下痢は数時間、7-8時間経って以降のことが多い。1回だけしか食べていない場合は、翌日にはケロッとしているというのが症状の1つの特徴。

・患者さんが多い鶏卵に関しては、7-8か月に発症して、2-3歳で半分以上が治る。

・小児の場合は嘔吐が前面に出ますが、成人の場合は腹痛や下痢、それこそ本当に何かに当たってしまったのではないかと思うような症状が主体になっています。

・成人の食物蛋白誘発胃腸炎の原因物質におおいのは魚介類で、日本では牡蠣が多いと言われています。興味深い調査がありまして、魚介類アレルギーだと診断されていた人の2割くらいがこの病気だといわれています。

・大人は治りにくい

疾患概念が興味深い。遅延性フードアレルギー、ということか?IgGの検査をしてみたいところ。