川崎病について

ドクターサロン 2025年11月号より

発熱に加えて6つの症状があります。まず眼球粘膜といって白目の部分の充血が出たり、口唇と口腔の所見では唇が赤くなったり、亀裂が入って出血したり、いちご舌といって舌がいちご状に変化をしたり、それから咽頭の発赤などがあります。さらには四肢末端の変化があり指先や足元がとにかくむくみます。普段、光沢をもっていないところもピカピカ光って、パンパンに腫れる硬性浮腫という症状です。手掌や足底の紅斑もよく見る所見です。回復してくると、2週目ぐらいの膜様落屑といって、爪と指の腹の間の指先から皮がペロンとてのひらのほうに向かって剝けてくるという症状がでます。

さらに非化膿性の頚部リンパ節腫脹というものがあります。片方の頸のリンパ節がだいたい1.5㎝以上腫れ痛みを伴うことが多いです。あとは発疹ですね。体にははしかのような赤い発疹が出たり、BCGを接種した部位が赤くなったりすることがあります。これが典型的な6つの症状といわれています。

 

乳幼児におこる全身の血管炎なので、冠動脈以外にも肺の血管、腎動脈、ほかの全身の比較的大きめの血管に炎症が起きる可能性がありますが、冠動脈が侵されることが一番頻度が高いといわれています。