感染性ぶどう膜炎について
ドクターサロン 2025年5月号より
・全体の6-7%がヘルペス性ぶどう膜炎
・原因がわかっている感染性のぶどう膜炎を全部あわせると、15%くらいだと思われます。
・ウイルス性(ヘルペス、帯状疱疹、サイトメガロウイルス)のそれぞれが虹彩炎という、前眼部の炎症だけを呈する場合と、網膜に炎症をきたす場合の2種理があり、帯状疱疹をやったヘルペスは急に発症し、急に見えなくなる。目が痛いなどの症状がおこります。
・眼房水を採取してPCR検査をするのが基本
・サイトメガロウイルスの虹彩炎は健常者に発症する。
・従来、サイトメガロウイルスの網膜炎といえば、典型的にはエイズ、あるいは、がんの末期の方というのがほとんどでしたが、最近は、膠原病で免疫抑制剤を使っている方で、サイトメガロウイルス網膜炎を発症する方が結構増えている。
・経過がゆっくりで、なかなか診断がつかないのがサイトメガロウイルス。
・細菌、真菌によるもの・・・寝る前まではよく見えていたけれども、朝おきたら目が真っ赤になっていて痛くて何も見えない。高齢者で、糖尿病や全身状態が悪い人に起きがちである。
・真菌の場合は、IVHや尿道カテーテルなど、外部からの管が感染に関係している場合が多い。
・細菌はたいへんな勢いで、臨床現場で梅毒性のぶどう膜炎がみつかることが多くなっている。
・眼科では、高齢者の梅毒のぶどう膜炎がある。
・一定の頻度で結核性のぶどう膜炎がある。
・COVID19による結膜炎が多かったが、網膜炎の報告もある。
・特に問題になったのは、新型コロナワクチンを接種した後にぶどう膜炎がでるということです。これは眼炎症学会でも緊急の疫学調査を行って、原田病様のぶどう膜炎がワクチン接種後にけっこう出ることがわかりました。そのため、われわれは最近、特に原田病様のぶどう膜炎を診た時は必ずワクチンの接種歴を聴くようになりました。