非感染性ぶどう膜炎
ドクターサロン 2025年5月号より
まず曇って見えます。これを「霧を視る」と書いて霧視といいます。あとはまぶしく見えたり、目が充血して痛くなるといった症状がでます。
ぶどう膜は血管膜ですので、血流にのっていろいろなものが目の中にはいってきます。ある意味、その窓口になる部位なので、そこから炎症が広がる。実は、ぶどう膜から広がった炎症はすべてぶどう膜炎という言い方をします。すると、膠原病もしくは血管炎があるような病気や、例えば感染症やがんの転移などが目の中で起きる。それに対して炎症がおきるので、すべてぶどう膜炎というかたちで臨床症状がでてきます。診断名はいったんそのようにつきますが、ぶどう膜炎の中にはいろいろんが原因疾患があるので、その原因疾患について正しい診断と治療を選択していかなければなりません。
感染症の場合、両眼同時に感染がおこるということももちろんありますが、やはり片眼性のものは、感染症をしっかり考える一つのサインです。
あとは高齢者ですね。高齢者のぶどう膜炎は、かなりの頻度で悪性疾患を含んでいることがあるので、そういったところに気を付けながら診断を進めていきます。
固形腫瘍の転移が多いのは、やはり肺癌や乳がんです。
・治療はまずは局所のステロイド。点眼や注射。他にはインフリキシマブ(ベーチェット病に適応)。
日本では「ベーチェット病」「サルコイドーシス」「原田病」が全体の40%を占め、3大ぶどう膜炎と呼ばれています。