Ruth Flinn Harrell:子どものチャンピオン
Orthomolecular Medicine for Everyoneより
学習障害が栄養失調によるものであるという考えは、新しいものではない。
2-3人の科学者(clinical john the Baptistsら)は勇敢にも、数十年にわたって、警鐘をならし続けている。
1981年、医学と教育の権威は驚いた。ハレル医師らが、National Academy of Science誌上に、高用量ビタミン療法で、学習障害児(ダウン症も含む)の知能が改善したという報告をしたためである。
多くの関係者にとり、この論文は全く予想外のものであった。しかし、ハレル医師はこの時までに、40年にわたってビタミンの学習障害への効果を調べ続けていたのである。
彼女は現代医学が解決できなかったこの問題に対する解決法(栄養療法)を世に問うことに成功した。
ハレル医師の最初の研究(スーパーフィーディング)は、第二次世界大戦中に始められた。
彼女の博士論文は”Effect of Added Thaiamine on Learning”(学習に対するビタミンB1の効果)であり、コロンビア大学より1943年に出版された。 1947年には”Further Effects of Added Thiamin on Lerning and Other Processes”が出版された。
彼女の研究は、機能強化食品などではなく、サプリメントのタブレットであった。
1946年、the journal of Nutrition誌に、「孤児施設の子ども達の、精神状態や身体スキルを、十分な量のチアミン(ビタミンB1)内服が改善させる。」を発表。
1956年までに、母親の栄養と子どもの知能との関係を調べた。そして、妊婦や授乳婦にビタミン療法を行うと、3-4年後の知能レベルが上昇することを見出した。
発展途上国でよくみられるBeriBeriハート(ビタミンB1不足による心不全)は有名だが、治療は簡単である。
同様にアメリカの教室でみられる精神障害も治療は簡単である。
60年前にハレルはビタミンB1投与による学習障害の改善を示して、このトピックスに照準を当てた。
チアミン投与群では、プラセボ群に比較して25%学習能力の改善を認めた。
砂糖を含む糖質は、体のビタミンB1の需要を増やす。これがADHDや学習行動障害のメカニズムの1つかもしれない。
ビタミンB群は、神経機能に必要不可欠なものである。栄養失調の神経でよい成績をとることは困難である。
ビタミンB不足は、記憶障害、集中力低下、イライラ、混乱、うつを引き起こす。
ハレルはビタミンB群をまとめて使うことが有効であることに気づき、多サプリメント療法(ショットガンアプローチ)かつ、メガビタミン療法を行った。(これはしばしば批判の対象となった。)なぜなら、問題のある子ども達は、より多くの栄養が必要であったからである。
National Health and Nutrition Examination Suvey の1988年から1994年の分析によると、アメリカの小学校の生徒の85%は推奨されている5種類以上の果物や野菜を摂取できていない。 加えて、20%のカロリーをジャンクスナックから(soda pop,cookies,and candy)から摂取している。
学習行動障害がすべてビタミン摂取不足のためであるといえば、言いすぎであるが、いくらかはそうである。
ハレル医師の治療法は論争と非難を引き起こした。
十分量のビタミンを投与しない臨床研究では、効果が認められなかった。そして、ハレル医師の研究は棚上げされることになった。
しかし、ハレル医師はIQと栄養の摂取量の関係に気づいていたのである。
ハレル医師に対して、研究方法が不注意で不完全であるという見解がだされた。しかし、彼女は以前Old Dominion 大学の精神科部門の議長であったし、批判者達が生まれる以前より子どもの研究を続けていたのだ。
ハレル医師の批判者達は、医学的にもっとよい方法をとったほうがよいと考え、メガビタミンを投与するなら、製薬会社の製品を使ったほうがよいと考えた。
ビタミン療法は製薬会社にとっては、金にならず、魅力的でない。
以下藤川徳美先生ホームページより
Harrell(1900-1991)の偉大な業績 その1-5
https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12311568051.html
https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12311566305.html
https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12311755134.html
https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12312033878.html
https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12312314291.html