近代医学の父ウィリアム・オスラー 1923年「糖尿病は「従来の炭水化物の摂り方が変わった」ことによる疾患
330人もの患者を対象に、炭水化物を極端に減らした食事療法の臨床試験が進行中だ。研究者によれば、1年たった時点で、97%もの患者がインスリンの投与量を減らすかインスリン治療を中断することができ、58%の患者が糖尿病と診断されなくなったという。
薬を飲んでも身体にたまった有害な糖が排出されるわけではないので、標準的な薬物療法では臓器不全の進行を防ぐことはできない。
複数の国の複数の機関が行った7つのランダム化されたプラセボ(偽薬)対照試験でも、「血糖値を下げる標準的な薬物治療では、臓器不全の進行の主な死因である心臓疾患を減らすことはできない」と証明されている。
上の事実は、10年以上前に、専門医の先生から教えてもらっていた。
ハーバード大学の関連医療機関で、世界で最も有名なジョスリン糖尿病センターが行っている減量プログラムの医療ディレクターを務めるオサマ・ハムディ博士は、2005年から、2型糖尿病の治療に低炭水化物療法を積極的に取り入れている。
1990年代の後半には、アトキンス博士が提唱した低炭水化物ダイエットが大流行。私のような健康の専門家やほかの医師たちが驚き、高脂質の食事を勧めるアトキンス・ダイエットは心疾患を招くにちがいないと考えていた。2000年代の初頭には、それを立証すべく、いくつもの臨床試験がおこなわれた。
だが、おかしなことが起こった、いやおこらなかったというべきか。悪いことは何もおこらなかった。高脂質の食事は高コレステロールを招き、動脈を詰まらせるという予想は覆された。実際、その反対だったのである。患者は体重が減ったばかりか、代謝プロフィールもよくなり、コレステロール値も改善したのだ。どの臨床試験でも、低炭水化物・高脂質は安全で効果的であるという結果がでた。
肥満治療のパラダイムは見直す必要があった。
だが、繰り返して言うが、世界中の医師たちは、何事もなかったように、従来の治療法を続けた。旧来の間違ったパラダイムに、あたかも救命ボートにしがみつくかのように、必死で執着したのである。
さめた見方をすれば、人間とはそのようなもので仕方がない。
良いことをしているつもりで、患者に害をなしていることに気づかない。
いまでは毎日、2型糖尿病が改善した改善した患者を目にする。
彼らは体重が減り、より健康的になっている。そのために私は医者になったのだ!
私は患者が健康を取り戻す手助けをしたいし、肥満や2型糖尿病は自然に克服することができるという希望を彼らに与えたい。
好き好んで病気になったり薬を飲んだりしたい人はいないだろうから、そんな私の願いは歓迎されるにちがいない。まさに、ウィンウィンの状態だ。
糖質制限に取り組む医師は、幸福なのだ!