爪をみるだけでたくさんの病気が分かる

以下上記引用

症例検討会で、玉井先生が撮影した爪の写真が提示された。爪上皮の延長と出血点が認められる。岸本氏は、これは膠原病を強く疑う所見という。さらに、ベッドサイド回診で、「機械工の手」「ゴッドロン兆候」「vネックサイン」「ショールサイン」「ばち指」の体所見を指摘された。上肢や下肢の近位筋に筋力低下はなかったが、後にARS抗体が陽性であることが判明し、皮膚筋炎の診断に至った。

爪をみるだけでたくさんの病気が分かる。爪と疾患の関係を紹介した、マニアックなサイトもあるほどだ。

診断に結び付く身体所見をいかに見つけるか、これは我々、総合診療医がいつも考えていることだ。私としては、この身体診察を美しいものとしたい。芸術家が余分なものを削り取り、純度の高い美学を貫こうとするように、無だのない、研ぎ澄まされた診察。ころをさりげなく行えると、指導医としての貫禄につながると密かにしんじている。

上の写真は、全身性強皮症の方の爪。

今から10年近く前。間質性肺炎と診断されていた患者さん。レイノー現象と逆流性食道炎があり相談に来られた。

爪の所見から強皮症と診断できた。