ナイアシンと肝障害

Orthomolecular Medicine for Everyoneより

ビタミンB3は稀に黄疸を起こすことがある。過去50年の間に、私(ホッファー)は5人未満の黄疸の発症を経験した。全員が回復し、ナイアシンを再開した。多くがアルコール中毒者であった。死者はなく、数人はトランキライザーによる黄疸であった。・・・トランキライザーを中止し、ナイアシン内服で黄疸は消失した。

 

大分昔であるが、(ナイアシンによるコレステロール低下作用が確かめられた後)、数人の医師達が、ナイアシンによる肝機能障害(黄疸なし)に注目するようになった。彼らは肝臓の生検を多くの患者に行った。(3000mgを1年続けた患者) 病理学的な異常は認められなかった。それ以来、ナイアシン内服中に肝機能(GOT,GPT)が上昇することが注目されている。私は、臨床症状がない限り、この肝機能障害を無視することにしている。 (ナイアシンを5-7日中止してから肝機能検査を受けたほうが良い。)もし、黄疸がなければ肝機能は問題ない。ゆっくりとナイアシンが増量された場合、肝機能障害は起こらない。

ナイアシンは、肝機能テストのプロセスを障害する、あるいは誇張された肝障害をおこす。ナイアシンはビリルビンレベルを上昇させる。これは肝臓の吸収のレベルで、ナイアシンがビリルビンと競合するためである。

ナイアシンはGilbert’s 症候群のビリルビンを増強する。ナイアシン内服前にビリルビンを測定しおくとよい。