治療の基本は患者をみること、検査値をなおすのが目的ではない
ステップビヨンドレジデント 2より
肺炎の治療の効果判定は、72時間が基本で、何を指標にするかが大事であり、やはり患者をみること。呼吸数、呼吸状態、SpO2である。逆に重症感染症では適切な治療により白血球や体温CRPが悪化する場合があることも多い。くれぐれも血液検査(CRP)などや胸部X線を指標にしないように!CRPや胸部レントゲンが正常化するには治ってから随分時間がかかることがある。
薬はよほどの状態の悪化をみない限り、最初の72時間は薬剤を変更しない。10%までのCAP患者が最初の治療に反応しないことがある。治療に反応しない場合は、薬剤抵抗性、予想外の細菌感染、肺炎意外の疾患(肺血栓塞栓症、炎症性肺疾患、他部位の感染症)、肺炎合併症による悪化、drug fever, 腫瘍などで抗生物質が到達できない、輸液やIVHの感染などを考慮する。単純に十分量の抗生剤がいっていないことがある。いったん狙いを定めたら必要十分量を投与しないといけないこともあることを肝に銘じなければならない。