医学部の大罪 栄養学を学ばない
2013年初版 精神科医 和田秀樹著「医学部の大罪」より
少し前の本ですが、様々な指摘がなされています。製薬企業と大学教授、学会との関係(特にディオバン事件)。近藤誠先生のこと。乳房温存治療が普及するのには、当時の多くの教授が引退するまで、すなわち15年かかった。糖尿病学会は、アコード試験の結果をとりいれない。大学病院医師の総合的な臨床能力の低さ。日本老年医学会は長年高齢者を薬漬けにしてきた。癌の放射線治療が有効活用されていない。緩和治療のおくれ。精神科軽視。SSRIの副作用。
マネーデータベース 製薬会社と医師というサイトができて、お金の動きがみえるようになりました。(その対策もすでになされていると思いますが。)首都圏の糖尿病の教授が年間5千万円近くの収入を得ていたのには驚きました。薬がいらなくなる糖質制限を普及しようとするはずがないのです。お金の動きを知るようになり、製薬会社主催の勉強会がいかにくだらないか、はっきりわかるようになりました。
栄養学については筆者は以下のように述べています。
①日本で結核が減ったタイミングは、BCGの始まる前であった。(栄養状態の改善)・・・これは、イングランド、ウェールズも同じ。 結核減少の理由
②日本人が長寿になったのは、やはり肉を食べれるようになったから。・・・これは、栄養学者の常識だと思うが、一般人も医者も知らない。江戸時代の食事
③医学部では栄養学を教えない。・・・藤川先生もよくこの点を指摘されている。すなわち、医者として最も重要なことを教えられていない。
④医者は日本人の食生活を知らない・・・指摘のとおり。何グラム摂取しているかすら知らないのに、ずっと脂質を減らせと指導していた。脂質摂取目標について
日本人と欧米人の肉の摂取量が全く違うのに、肉をへらせ、という指導だった。(最近、反省して変わりましたが)
「ハワイの日系人は心筋梗塞が多い、やはり和食の方がいい。」という論文。実は寿命は肉と脂質の摂取量が多いハワイ日系人の方が長い。
⑤事情の異なるアメリカの指導を日本に持ち込んだ。・・・出世したいアメリカかぶれの医者が製薬企業と組んで人をだます。現在の状況も同じ。