下腿出血を繰り返し 最終的に壊血病と診断した1例 日本内科学会雑誌より

日本内科学会雑誌 2021年10月号より

珍しい壊血病の報告例

以下引用

要旨 61歳、男性。下腿出血を2回繰り返し入院した。共に出血の原因は特的できなかったが、治療することなく、入院後数日で改善した。3回目の入院時の問診で、野菜や果物を全くとらない食生活であることが判明し、検査結果から壊血病と診断した。ビタミンC補充で症状は速やかに改善し、食生活の改善で1年間再燃していない。出血傾向の鑑別にはビタミンC欠乏症も鑑別に入れる必要がある。

過去の報告では、成人の場合、下腿出血が多いようである。
症例はうつ病治療中。降圧薬、尿酸低下薬、および精神科薬5剤の内服中。やはり精神疾患と栄養は関係が深い。
血液中のビタミンC濃度の測定を測定しているが、一般的にあまり行われていない。

わずか1日100㎎の病院食中のビタミンCで症状が改善している。このケースではおそらく蛋白不足や亜鉛不足、ビタミン不足もあっただろう。

 

”正常人では、体内に約1500㎎のビタミンcの貯蔵があり、その維持には60mg/日の摂取が必要とされている。 一般的には300㎎以下になると壊血病が発症するとされている。”

最近は高齢者の皮下出血をみると、ビタミンCの内服を勧めたいと思う。