映画 「スタチン・ネーション」・・・長期間続くスタチン論争
2015年12月19日 再掲
STATIN NATIONについて
コレステロール論争についての映画です。
概ねこれまで脂質栄養学会の先生方(大櫛先生、浜崎先生、奥山先生)が書籍で述べられている内容に一致しています。
興味深かったのは、スウェーデンのドクターがLow Carb High Fat の有効性について述べていたり、 ビタミンDについて多くのドクターがコメントしていた点です。
いずれにしろ、問題は栄養学であり、これまでの栄養学が見直されつつあることは明らかです。
①動脈硬化はコレステロールの存在でおきるのではない。
病変の修理のためにコレステロールが運び込まれているのが実態である。
動脈硬化を起こすのは血管内皮の炎症である。
では、炎症の原因は? たばこ、高血糖、高血圧、良くない脂、ストレスなど。
たばこには脂が入っているのか?たばこにコレステロールがはいってるのか?
②スタチンは、コエンザイムQ10 の生成を阻害する。
(コエンザイムQ10は、うっ血性心不全の治療薬)
休みなく働き続ける心筋のエネルギー産生(ATP産生)を障害している。
(ちなみに、ケトン体の生成も阻害する。)
③スタチンで記憶障害がおこりうる。 経験者のインタビュー。
脳の20%はコレステロールであり、神経細胞のコネクション形成にはコレステロールが必要である。
製薬会社が副作用を過少報告することが、バイオックススキャンダルで明らかになった。
(バイオックススキャンダル:2004年 米国において、痛み止めバイオックスで多くの深刻な健康被害があったが、隠蔽された。この事件以降不正な研究報告ができにくくなっている。結果、スタチンの有効性に否定的な報告が続いている。)
④ビタミンDは虚血性心疾患の予防効果が期待されている。
ビタミンDはコレステロールから変換されるので、現状は、スタチンと日焼け止めで二重にブロックされている。
夏はコレステロールがビタミンDに変換されるので、血中コレステロール濃度が低下する。
冬場は感染症対策として、肝臓は血中コレステロール濃度を増加させる。
アジアンパラドックス・・・色が黒い皮膚の人は、癌や糖尿病や虚血性心疾患などが多い。
色の濃い皮膚が、紫外線の吸収が悪いため。
⑤ スタチンは糖尿病を増やす
⑥2010年アメリカの報告。心筋梗塞で入院した患者のLDLコレステロール値は、アメリカ人平均よりも低かった。
⑦LDLコレステロールは免疫反応に関与している。LDLコレステロールが減少すると、感染症に弱くなり、癌を発症しやすくなりなる。
また、スタチンでうつなどの精神病が増える。
⑧アンセル・キースの仮説:
飽和脂肪酸が血中コレステロールを上昇させる。コレステロールが動脈硬化を起こす。
もともとは、コレステロールの摂取が血清コレステロールを上昇させるという説であった。
しかし、そのような事実が認められなかったので、飽和脂肪酸がコレステロールを増加させるという説に変わったよう。
この仮説は否定された。
⑨ロシア出身のナターシャ・キャンベル・マクブライド医師も出演。
食事について詳しく説明している。
卵のような健康的な食品を制限してはいけない。
動物性脂肪は安全で、植物油は安全性が低い。
医者は栄養について知識がない。医者に栄養についてアドバイスされたら、無視しなさい。
以下情報
タイトル GAPS 腸と心の症候群
著者 ナターシャ・キャンベル-マクブライド医学博士著 岡牧子、阿部里果訳
自閉症、統合失調症などのGAPS症状の原因と、その食事療法の手順をまとめた書籍です。
GAPSとはGut and Psychology Syndromeの略で、「腸と心(脳)の関係から来る、様々な症状」です。サブタイトルにある症状を代表的な物とする、全ての発達障害、学習障害、情緒障害が入ります。
これらは実は精神病ではなく、腸内細菌叢の不調和を発端とする腸の不健全状態が大きな原因です。最近は、自閉症を含むGAPS患者の急増と共に、腸内細菌と自閉症との関連がますます注目されています。
(GAPSについての詳細は、こちらのページ http://www.makikomethodnyc.com/?page_id=8150 をご覧ください。) 著者のナターシャ・キャンベル-マクブライド医学博士は、本食事療法で自閉症の息子を回復させ、自身のクリニックにおいて多くのGAPS患者の治療に携わってきました。
訳者の岡牧子は、日本人初の博士公認GAPS食事療法士(CGP)として活動しています。 本書は世界で11言語に翻訳され、米アマゾン「自閉症・ アスペルガー症候群」部門のベストセラー書籍にも選ばれました。