ささいないらだち
エリック・ホッファー 自分を愛する100の言葉 「働く哲学者」の人生論
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小川 仁志
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人々にまじって生活しながら、しかも孤独でいる。これが、創造にとって最適な状況である。このような状況は都会にはあるけれども村とか小さな町にはない。ルーティン、刺激のなさ、それに加えて少々の退屈とか嫌悪などが、創造的状況の他の構成要素として挙げられる。ほとんどの場合、創造の原動力となるのはささいな、だが持続的ないらだちに対する穏やかな反発である。
ニューヨークや東京といった大都会が、創造者たちにとって人気の場所になるのはもっともなことなのです。ところが、ホッファーは少し違った視点を投げかけます。
都会がいいのはその通りなのですが、それは決して刺激的だからではありません。刺激的すぎるのはよくないのです。都会の中で孤独であらねばならない。彼はそう考えるのです。
でも、多くの人はこのいらだちさえ感じないのではないでしょうか。ましてや、それに対して穏やかな反発をし、それを創造のモチベーションに転換することさえもないような気がします。その意味では、やはりホッファーは非凡な才能を持っていたように思えてなりません。