28歳男性。腹痛、下血
日経メディカル 2017年6月号 メディカルクイズより
38.3℃の発熱。右下腹部に圧痛。マクバーネー兆候陽性で、反跳痛あり。 便グラム染色では、グラム陽性球菌。
白血球数 8800 CRP 8.57
最も適切な対応は?・・・・答え 焦点を絞った病歴の採取 診断 カンピロバクター腸炎
ポイント
①本症例はグラム陽性連鎖球菌による細菌性腸炎の疑いで感染症内科が対応。検鏡ではグラム陰性桿菌もたくさんみとめた。(よく見ると)
マクロライド内服5日間で改善した。
②カンピロバクター腸炎は最も多い細菌性腸炎である。その臨床像は全身疾患としてとらえるべきである。「インフルエンザ様」「虫垂炎様」「便中白血球陽性」に注意する。感冒様全身性発熱疾患の後に出現する消化器症状を見た場合に想起する。エルシニア感染症と同様に虫垂炎様の症状を呈することがある。
③本疾患における便グラム染色の診断特性は高い。検査前確率を高め得る焦点を絞った病歴(汚染された畜肉の摂食など)を掘り起こすと同時に、便グラム染色所見を確認し、目立たなくたたずみ見過ごされやすいグラム陰性らせん菌を見出す周到さが求められる。
④発熱、血便、1週間以上の症状持続、妊娠、HIV感染症や他の免疫不全状態の場合、抗菌薬治療が適応となる。
⑤便中白血球陽性は、炎症性腸疾患、CD関連腸炎、虚血性大腸炎、憩室炎なども検討する。