気胸を契機に診断したBirt-Hogg -Dube症候群の1例
広島医学会雑誌 2026年5月号より
61歳男性。喫煙歴はなく、直腸がに対して外科的切除の既往がある。来院7日前からの呼吸困難を主訴に近医を受診したところ、胸部X線写真で左気胸と診断され、当院を紹介受診した。胸部CTでは、左気胸と両側肺底部かつ縦隔側優位に多発する肺のう胞を認めた。多発肺のう胞、気胸、顔面繊維腫、悪性腫瘍の既往からBirt-Hogg-Dube症候群を疑った。左胸腔ドレナージを挿入したところ速やかに気胸は改善し、第5病日に退院となった。しかし3週間後に両側の気胸が再発し胸腔鏡下左肺のう胞切除術を施行した。切除標本の組織学所見では、BHD症候群に特徴的な嚢胞内腔側への血管の突出像を認め、遺伝学的検査ではfolliculin遺伝子にエクソンⅡの病的変異を確認した。
BHD症候群はまれな疾患であるが、多発肺のう胞や難治性気胸の鑑別として重要であり報告する。