高プロラクチン血症の診断と治療

日本内科学会雑誌 2026年4月号より引用

高プロラクチン血症は性腺機能低下や不妊、骨量減少の原因となる。原因はプロラクチノーマ、stalk effectなど多彩である。診断を進めるために再現性や薬剤性・生活歴、全身疾患の合併について確認し、MRI評価を行う。腫瘍性ではプロラクチン値と腫瘍サイズの乖離が鑑別の鍵となる。治療の第一選択はドパミン作動薬であるが、妊娠管理や衝動制御に注意し、治療目的を明確にしたうえで適切に介入すべきである。

 プロラクチンは下垂体前葉ホルモンであり、ヒトにおける主要な作用は乳汁産生および乳腺組織の成熟の促進である。加えて、視床下部のkissspeptin分泌を抑制し、性腺刺激放出ホルモンの周期的分泌を抑制することで二次的にゴナドトロピンの分泌を低下させる。糖代謝や骨代謝にも関与し作用は多面的である。高PRL血症は乳汁漏出のみならず、無月経・不妊・骨粗しょう症の原因となりうるため、その診断と対応が重要である。

①プロラクチノーマ以外の原因もある。
②高PRL血症は、閉経前女性では月経不順・不妊・乳汁漏出等を契機に指摘されることが多く、月経異常で婦人科を受診した患者の5-14%に高PRL血症が指摘されている。
③1:3で女性に多い。
④薬剤性も結構多い。
⑤薬剤性では、ホルモン剤(エストロゲン製剤、TRH製剤)
⑥他の下垂体ホルモンなどもチェックする。
⑦ドンペリドン、精神科薬(スルピリド、クエチアピンなど)は原因となる。ベラパミル、ドンペリドンも。・・・ドパミンD2受容体拮抗作用をもつもの。
⑧原発性甲状腺機能低下に伴うTRH過剰では、甲状腺ホルモン補充により正常化が期待される。
⑨治療薬 カベルゴリン、ブロモクリプチン・・・D2作動薬
➉未治療のプロラクチノーマでは性腺機能低下により通常は妊娠が成立しない。