2:6:2の法則
糖質制限通信2023年12月号より
杏クリニック 山本拓先生
以下一部引用
大きく分けて1-2割の方は、スーパー糖質制限が実践でき、HbA1cは12%位から5%台となり、食事だけで継続ができています。6割の方は、すこしづつ改善はするが、HbA1cは7%前後で上下して、食事内容を調整したり内服を処方・調節したりしていきます。また、依然はスーパー糖質制限ができていても、時間の経過とともに少しづつ糖質量が増える方も多くみられます。残りの1-2割の方は、糖質制限がうまくいかず、HbA1cが8-10%と高値のまま改善されません。パレートの2:6:2の法則が当てはまります。
理論を理解して実践できる人は、フォローだけで問題ないのですが、どちらにも向かう6割の方は、糖質を摂ってはいけないと頭ではわかっていても、社会生活を行う上で付き合いがあり、糖質をとらざるを得ない場面や誘惑に負けてしまうことが多いです。それぞれのライフスタイルがあるので糖質摂取を否定せず、個々に応じた指導で対処しています。残りの2割の人は、どうしても糖質過多になり、運動療法もできず、内服を多く処方せざるを得なくなりますが、いつの日か考えが変わる事を信じて通院を継続してもらっています。
年齢や病型にもよりますが、HbA1cが7%を超すまでは食事・運動療法で頑張り、7%を超すと内服薬を提案します。第一処方薬は、メトホルミン(歴史がありエビデンスがあり安価である)から始め、その次はインスリン分泌を来さない、薬による糖質制限ともいわれているSGLT2阻害薬(肥満が著明な方には第一選択薬となる)を処方することが多いです。最近では経口GLP1作動薬も食欲が抑えられない方には使用することが多くなっています。やせ型の方にはDPP4阻害薬やアルファグルコシダーゼ阻害薬を使用することが多いです。緩徐進行1型糖尿病と診断されなくても、血中Cペプチドが低く、インスリン分泌能が低いと考えるためです。
コメント:大変勉強になります。