「天才ごはん」書評

僭越ながら・・・。

この書籍の特徴は、単に新栄養学の理論のみを述べているのではない点である。著者の臨床研究の観察と実践から導かれた、具体的な方法論が述べられている。

発達障害のマグネシウム不足型」は新しいアイデアで、革新的。「天才」の面目躍如。

後半に24例ほどの症例集がある。1例1例が、現代医学の常識で言えば、「奇蹟的回復」ということになるだろう。このケースレポートの真似をすればよい。

 

現在のところ、精神科の権威や世間はこのような治療法を受け入れていない。10年後もさほど状況は変わってないだろう。権威筋やマスコミが栄養療法を推進するとは考えにくいのだ。

(ずいぶん前になるが、藤川先生は広島大学の精神科教授に手紙を書かれたことがある。反応がなかったようだ。)

改善を得た患者さん、家族、栄養療法に関心を持つ人達から、口コミで広がる、草の根的な広がり方しかないのだろう。

 

筆者以外の治療者も加わって、症例報告をし、新しい発見を付け加え、さらに方法論をグレードアップさせなければならない。

以下引用

向精神薬を飲ませるだけでよいのか

しかし、現在使われている向精神薬は、以前使われていたリタリンよりは依存性が薄まったとはいえ、長期的にどのような弊害があるのかデータはありません。子供の頃から飲み続けている人で、大人になってもやめられないという人もたくさんいます。

先日もコンサータを処方されたという4歳のお子さんが受診されましたが、向精神薬が低年齢から処方できるようになっているのは疑問です。

コンサータやストラテラなどの薬は、多動の子供を一時的におとなしくさせるためのものでしかありません。治るわけではないのです。長期的な投与による副作用もまだはっきりしていないのが現状です。