COVID-19関連IgA血管炎が疑われた1剖検例

日本内科学会雑誌 2023年2月号より

 

57歳男性。COVID-19罹患後に紫斑と腎障害、ネフローゼ症候群を認め、当院に転院した。皮膚と消化管粘膜の生検結果から、IgA血管炎と診断した。ステロイドパルスと血液透析を行ったが、消化管出血からショックを来し永眠された。病理解剖で出血性胃潰瘍・小腸潰瘍と半月体形成性糸球体腎炎を認め、IgA血管炎に矛盾しない所見だった。COVID-19関連IgA血管炎の剖検例の報告はまだ存在せず、貴重と考える。

 

ポイント

・他の上気道感染と同様、COVID-19もIgA血管炎の発症を惹起しうる。

・成人においてIgA血管炎の消化器病変は重症化しやすい。

・COVID-19自体も腎障害をおこしうる。