PMRの診断は血液培養2セットをしてから

上記より引用

71歳の男性、全身の疼痛を主訴に来院。当院初診医が撮影した胸腹部単純CTでは粗大病変を指摘されなかった。全身痛の発症から症状の完成までは数日間。朝方の症状が強く、両肩の挙上が困難であった。

検査所見では炎症反応上昇(CRP, 血沈)以外に特記すべき所見を認めず。「リウマチ性多発筋痛症」を疑い、メチルプレドニゾロン40mgを筋注した。

翌週再診したが、症状の改善はほとんど認められなかった。造影CTで肝臓に多発性の腫瘍

 

リウマチ性多発筋痛症は除外診断で考えないと大失敗しうるとのこと。症例では、単純CTを選択したことが敗因となっている。ステロイド内服開始翌日に確認していない点も手落ちだろう。

(そもそも開業医ではCT検査もできない。胸部レントゲンとエコー検査で代替?)

パールとして、「リウマチ性多発筋痛症を診断する上で、最も重要な検査は血液培養2セットである」としている。
高齢者に多い疾患なので、感染症で発熱がない場合がありうる。

ドクター須藤のビジュアル診断学では、RMPと誤診しかけた疾患として①Crowned dense syndrom(頸椎の偽痛風)②乳癌の全身骨転移(胸部X-Pで診断できている)③咽後膿瘍(PMPと思い込んで飲み込むときの痛みをスルーしかけた)④前立腺炎(パールに合致する症例)⑤ペースメーカーリード感染(全身痛で来院し、発熱も認めなかった。これもパールに合致する)⑥亜急性甲状腺炎