ビタミンB12の吸収ルート

ドクターサロン2025年5月号より
「胃切除後の貧血」から引用

教科書的には、キャッスルの内因子という、胃の壁細胞で作られるものがビタミンB12と胃の中で結合して、それが回腸の末端で吸収されるというのがビタミンB12の吸収ルートですので、胃全摘をすると内因子が損なわれた状態で吸収はできないと教わってきたわけですが、ビタミンB12は小腸で受動拡散というかたちでの吸収ルートもあるようです。

 最近は経口のビタミンB12製剤での補充も行われています。容量としては、メコバラミン1.5㎎を1日3回連日服用いただくことで補充可能と教科書にも書かれています。さらに最近ではもうすこし少ない量、具体的には3分の1の1日0.5mgでも1.5㎎に劣らないビタミンB12の補充ができるという臨床試験の報告もあります。そういったことを考えると、内服での補充という選択肢もあると考えています。

 上記の内容は、20年以上前から言われていた。ただ、無症状の人が継続してメチコバールを内服し続けるのも、結構難しい点があると思う。