ローレンスティアニー

medicina  Vol.50 No1より ドクター志水太郎

一昨年末ティアニー先生との対話の中で一番印象的だった言葉は「すべての患者はgreat caseだ」というものでした。安定している患者さんの場合、彼は病歴を聞く際に社会歴から聞き始めることが多いのですが、その患者のバックグラウンドに非常に敬意を払っていて、実際の患者マネジメントの議論の中にも社会歴的な内容が非常に深く入ってきているのです。患者さんの人生に対して敬意を払うというのは、医師としてあるべき姿であり、また医者という仕事をいつも発見とともに楽しみつつ生業にしていくうえで重要な教えであると感じます。

私が医学生のときに英国に留学した際、大きな衝撃を受けました。英国の学生は医学部2年でphysicalの訓練を1年間やっていて、爪を見ただけで鑑別が20個上がるのです。