APOE4ホモ接合は、アルツハイマー病を100%発症する

学生の時に、全員採血され、APOE4検査をされたことを思い出す。少し問題になったが、結局フォローアップできてないから調べただけで終わっている。

ちなみに、私は現在のところ、レカネマブに批判的な見解である。

以下引用

 

この研究の臨床・研究へのインパクトは非常に大きいと考えられます.
1)Aβ抗体療法と遺伝子診断・・・レカネマブ治療において,米国では副作用であるARIAを予測するために遺伝子診断が推奨されていますが,その遺伝子診断がより重大な意味を持つことになります.例えばAPOE4ホモ接合であることが判明し,結果を開示した場合,ホモ接合であればこそ,レカネマブを使用したいという気持ちをもつ患者さんが増加するものと予測されます.しかし同時にホモ接合はARIAを発症するリスクが大きいため,まさにアンビバレンツな状態になり,患者も医師も苦悩します(ARIAをきたした患者の認知機能のデータが公開されていないことで,さらに治療の自己決定は難しくなります).
2)遺伝カウンセリング・・・ただでさえ難しいレケネマブ開始前の遺伝カウンセリングがさらに複雑化します.遺伝子診断の結果を本人に開示するかどうかがまず求められます.本人や家族への精神的影響を考えて開示しないことを選択する施設も増えそうです.その場合,患者さんが治療を選択するケースも増えますが,ARIAのリスクが高いので,安全のために医療者は当初の回数よりも多いMRIを施行し,かつ抗凝固薬やtPAに関する説明もするため,開示せずともホモ接合であることが分かってしまうものと考えられます.また遺伝カウンセラー数は少ないため,負担も大きくなります.カウンセラーへの教育に加え,増員,診療報酬改定が求められます.
3)臨床試験と治療開発・・・ApoE4ホモ接合の臨床試験参加者は,バイオマーカーの変化や経過が予測可能となるため,参加者の選択や試験デザインの設計において大きな影響が生じます.効果判定も遺伝子のタイプ別に行う必要が出てきます.治療の個別化が可能になり,発症前診断をして,発症前からの早期介入ということが検討されていくものと思います.
以上のように問題が複雑化して,患者さんも医療者もしっかり勉強しなければshared decision making(協働意思決定)が困難になりつつあります.抗体療法の開発前は,APOE遺伝子検査は臨床では推奨されない検査でしたので,大変なことになってきたと思います.患者さんも医療者も,人生の最後の時間をいかに過ごしたいと考えているのかを問われているような気がします.