腎炎の評価

上記より

肉眼的所見として茶色やコーラ色の尿は、膀胱由来よりも腎由来を考える。(特にIgA腎症を示唆する)。腎由来の血尿には、糸球体の障害によるものと、それ以外(尿細管、間質の障害)がある。これらの障害をまとめて臨床現場では腎炎とよばれる。尿沈渣における変形赤血球や赤血球円柱は糸球体血尿を示唆する重要な所見である。特に尿赤血球の5%以上に有棘赤血球を認める場合は、糸球体腎炎の感度52%、特異度98%であったと報告されている。
①タンパク尿を伴う場有、②尿沈渣で変形赤血球や赤血球円柱を伴う場合、③腎機能低下を伴う場合
では原因精査として腎生検を検討する必要があり、積極的な腎臓内科への紹介が望ましい。他方、腎炎では血尿のみを認める例では治療適応とならないことが多く、経過を見ながら腎生検の適応を考慮することとなる。

コメント:コーラ色の尿、といったら熱中症などのときの横紋筋融解症が連想される。鮮やかな血尿で、膀胱腫瘍の方がおられた。