ステージⅣ進行再発大腸癌に対し修正MCTケトン食を1年間併用した化学療法の臨床効果に関する検討
古川 健司, 重松 恭祐, 岩瀬 芳江, 三上 和歌子, 星 博子, 西山 孝子, 大塚 藍, 阿部 宏子
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2018 年 33 巻 5 号 p. 1139-1146
抄録
【目的】がんに対する糖質制限食として、medium chain triglyceride(以下、MCTと略)オイルの少ない修正MCTケトン食を導入し有効性を検討した。【方法】ステージⅣ進行再発大腸癌患者10例に、ケトン比が1.4:1の修正MCTケトン食を1年間抗がん剤と併用し、RECIST判定、血中総ケトン体、quality of life(以下、QOLと略)の評価を行い、ステージⅣで抗がん剤治療のみを行った群14例と比較検討を行った。【結果】抗がん剤単独群は、CR0例、PR3例、SD6例、PD5例で、奏効率21%、病勢コントロール率64%で、ケトン食併用群は、CR5例、PR1例、SD1例、PD3例で、奏効率60%、病勢コントロール率70%で、1年継続することで、CR率が50%に上がった。【結論】ケトン食併用の抗がん剤治療は、抗がん剤単独群と比較し、奏効率、病態コントロール率が高く、ステージⅣ大腸癌の支持療法になると思われた。