再掲 脳でアンモニア、乳酸はどう処理されているのか?
2018年1月10日 脳ではアンモニア、乳酸はどう処理されているのか ~ニューロンはB1欠乏があると致命的な状況に陥る~
本日の藤川徳美先生のFBより
三石巌:前業績ー10、脳と栄養を考える、より
神経細胞以外の細胞では、タンパク質の分解からくるアンモニアは、細胞外に排出される。ところが、ニューロンにおいては、血液脳関門のほかには、物質の出入り口がない。ところが、アンモニアはそこから出て行かない のである。しかもこれは、かなりの毒物である。
ニューロンは代謝の激しいところであるから、アンモニアの排出量も多い。そこでニューロンには、これが発生するそばから処理するシステムができている。それは、グリア細胞におけるグルタミン酸による中和である。 そして、その中和生成物はグルタミンである。グルタミンは無毒な物質であるから、この中和反応によって、毒物アンモニアは、始末をつけられる。そしてまた、グルタミンは、ニューロンにもどり、グルタミン酸となって、何回でも利用される。
先に述べたところであるが、グルタミン酸は神経伝達物質の一つである。それはまた、毒物処理の主役でもあったのだ。 グルタミン酸もグルタミンも、ともにアミノ酸に属する。この二つのアミノ酸の量の和が、脳内アミノ酸総量の80%を占めるのも、うなずける。この事実だけを見て、グルタミン酸を、頭のよくなる薬だと、早合点した歴史のあることは、すでに述べたところである。
ニューロンで発生したアンモニアは、排出されないために、ニューロン内で処理される。これに似たことが、乳酸の場合にもみられる。先に述べたとおり、乳酸は、エネルギー発生の過程の副産物といってよい。しかし、乳酸が発生するのは、酸素、もしくはビタミンB1がないときにかぎられる。
ニューロンは、それ以外の細胞と違って、乳酸を排出することができない。そうかといって、乳酸の処理装置が用意されているわけではない。そこで、ニューロンでは、乳酸をもたらす代謝が禁止されることになっている。
先に述べたとおり、乳酸をもたらすエネルギー発生は、効率がきわめて低い。そこで、脳では、有酸素の電子伝達系とクレプスサイクル(クエン酸回路)を駆動して、高能率のエネルギー発生を専門にやっているわけだ。 酸素が切れると、人間は10分で失神する。これは、首をしめてみればわかることだ。低血糖の患者は、よく昏睡におちいる。ビタミンB1が欠乏すると、さまざまな精神障害をおこすことも知られている。急性欠乏の場合は、物忘れがひどく、場所も時間もわからなくなり、作り話をするようになる、などの症状をあらわしてくる。
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タンパク質の分解からくるアンモニアの処理は、グルタミン酸による中和。
グルタミン酸は神経伝達物質であり、かつ毒物処理の主役。
神経細胞(ニューロン)では嫌気性解糖のみの代謝は想定されていない。
つまり、ニューロンはB1不足があると致命的な状況に陥る。
しかし、米を食べている日本人は全員B1不足、ヤバいよね。
B1不足でニューロンの活性が低下している人は多いはず。
糖質制限をすれば頭が冴えるという人が多いが、1)血糖値日内変動が小さくなること、2)ケトン体が上昇することの他に、3)B1不足が改善する効果も大きいはず。
アルコール症ではその代謝にB1、ナイアシンが浪費されるため、重篤なB1不足になりウェルニッケ脳症を生じる。
ニューロンは乳酸ができないのでがんはできない。
グリア細胞は,分裂,増殖能力を持っており、乳酸も発生する。
悪性の脳腫瘍とはこのグリア細胞ががん化したもの。
この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new.htm#0110-2