NSAIDsは慎重に

STEP BEYOND RESIDENT 救急診療の基本パート1より

痛み止めだけに、胃に孔があいていても痛くない!!

NSAIDs(ロキソニンなどの解熱鎮痛剤)処方の際には、当然胃十二指腸潰瘍の既往や腎障害の既往は聞かないといけない。アメリカでは少なく見積もって、NSAIDsの副作用による胃腸障害で年間10万7000人が入院し、16500人が死亡していると報告している。

 NSAIDs潰瘍のリスクは、胃十二指腸潰瘍の既往があれば5-6倍に、60歳以上なら5-6倍、NSAIDsを倍量投与されれば10倍、ステロイド内服者では4-5倍、ワルファリン内服中では10-15倍に跳ね上がる。ところがNSAIDsの消化器合併症で入院した患者のほとんど(81%)に前駆症状がないという。その約10%が死亡している。