進行がんで、不定愁訴を訴えてきたら高カルシウム血症を忘れるな!

メディチーナ2013年9月号より引用

進行がんでは、転移部位によっても様々な症状をきたすし、また適応障害を起こし、精神的な訴えも多い。高カルシウム血症は、頻度こそそう多くはないが、全身倦怠感や嘔気など、癌患者にはよくみられる不定集を適菜症状としてあらわれることが多いので、経過観察とされ、見逃される場合も多い。また、化学療法をやっている場合などの副作用と見分けがつかない場合も多い。ずっと化学療法の副作用と判断され、症状がいっこうによくならず、高度の高カルシウム血症をきたし、腎不全になってから発覚する場合などもある。この場合は、緊急処置が必要となる。骨転移に多く合併するが、骨転移がなくても起こる。進行がん患者で、長引く倦怠感や嘔気、便秘などがあった場合、高カルシウム血症の鑑別をわすれてはならない。