脳卒中と口腔細菌

日本内科学会雑誌 2023年6月号より

 以下引用
 

 齲歯や歯周病などを引き起こす口腔細菌の脳卒中への関与が示唆されている。歯周粘膜組織では生体防御が脆弱であり、歯科処置や歯磨き等の刺激で、口腔細菌が血液中に移行し菌血症を引き起こす。なかでもコラーゲン結合蛋白Cnmを発現する齲歯原性細菌の口腔内保有は、脳内出血に関連する。さらに、口腔細菌は毒性・代謝因子を産生し液性機序で脳卒中の発症に関与し得る。最近になり、口腔細菌の腸内移行による腸内細菌叢のディスバイオシスを介した免疫機序により脳卒中リスクが高まる可能性も明らかになった。これら3つの機序は互いに影響しあいながら、脳卒中の発症に寄与すると推測されている。このような口腔細菌の脳卒中病態への関与を鑑みれば、口腔ケアによる脳卒中低減効果が期待される。

口腔ケアの第一選択は、糖質制限でしょう!