非小細胞がんに対する分子標的治療薬
日本内科学会雑誌 2023年6月号より
各ドライバー遺伝子に対する分子標的治療薬の現状、および課題について概説した。近年の肺癌薬物療法のトピックスはこれら分子標的治療薬と免疫チェックポイント阻害薬の開発である。ドライバー遺伝子変異陽性癌に対する免疫チェックポイント阻害薬単剤の効果は概して乏しく、肺癌による主要免疫の抑制や、腫瘍の免疫原性が低いことが原因として挙げられている。ドライバー遺伝子陽性肺癌の治療における分子標的治療薬の役割は大きく、我々臨床医にはこれら薬剤を最大限活かすことが求められている。