TAFRO症候群に合併した急性心不全の1例

日本医師会雑誌 2021年11月号より

血小板減少、腔水症、発熱、骨髄繊維症または腎機能障害、臓器腫大を呈する疾患である。症例は71歳女性、ステロイド漸減中に急性心不全を発症した。標準的な急性心不全の治療で軽快したが、原病に伴う二次性心筋症が疑われた。高ILー6血症により心不全を起こし得る疾患として注意が必要である。

診断基準
大項目(3項目すべてを満たす):(1)胸水や腹水、下腿浮腫等の腔水症、(2)血小板減少(10万以下) (3)全身性炎症反応(37.5℃以上の不明熱あるいはCRPが2以上)
小項目(2項目以上を満たす): (1)リンパ節生検でキャッスルマン病様の所見、(2)骨髄繊維化あるいは骨髄巨核球の増加、(3)菅脾腫やリンパ節増大等の軽度の臓器腫大(4)進行性腎障害
除外すべき疾患:リンパ腫や骨髄腫等の悪性腫瘍。SLE等の自己免疫疾患、感染症、POEMS症候群、IgG4関連疾患、肝硬変、血栓性血小板減少性紫斑病や溶血性尿毒症症候群

ややこしすぎる。