4回の新型コロナワクチン接種後にCoronavirus disease 2019肺炎を生じた腎移植患者の1例

広島医学会雑誌 2024年1月号より 呉医療センターの論文

抄録

腎移植患者がCoronavirus disease 2019(COVID-19)に罹患した場合、死亡率は一般より高く、ワクチン接種による抗体陽性率は一般より低い。われわれはコロナワクチン4回接種後にCOVID-19感染した腎移植患者を経験したため報告する。

症例は65歳男性。約4年前に妻をドナーとする血液型不適合生体腎移植術を施行。4回目コロナワクチン接種1か月後に発熱を認め、近位にてSARS-CoV-2陽性と診断。自宅療養を行っていたが、呼吸苦にてDAy8に当院受診。両側肺炎像を認め、同日よりミコフェノール酸モフェチルを中止。レムデシビルの投与を開始した。呼吸状態の悪化を認め、Day9よりエベロリムス、タクロリムスを減量した。その後、全身状態の改善を認め、Day23より免疫抑制薬を増量。Day27に経過良好にて退院となった。

本症例は4回目ワクチン接種後の抗体価が低く、COVID-19罹患後、治療開始まで1週間あり、状態が悪化した一因と考えられる。よって、臓器移植患者がCOVID-19に罹患した場合は早期治療介入を行うことが重要となる可能性がある。

コメント:治療は、免疫抑制薬の減量とデカドロン、レムデシビル。

論文の主旨としては、「コロナ罹患後、早めに免疫抑制薬の減量をするべきだった。」ということか。

ワクチンについては、腎移植患者は、中和抗体価が上昇しにくいらしい。どっちにしろ効果はないと思う。

個人的には、パキロビットもラゲブリオもレムデシビルも使ったことがない。本当に有効で必要な薬剤なのだろうか

デカドロンで治療、で良いのではなかろうか?