バイタルサインで頻脈は出血を表す

以下引用

バイタルサインで血圧測定はもちろん大切であるが、頻脈は冷汗や末梢冷感とともに生体反応として重要である。消化管出血や子宮外妊娠で頻脈を伴えば、データ上貧血がなくても重症である。「お家で様子をみてください。」と帰そうとしたとたん、ドアの前で患者は崩れるのである。出血性ショックは代償性に頻脈がまず出現し、次に血圧が低下するのである。いったんショック状態に陥れば、血管は虚脱し血管確保は困難となる。状態の良いうちに血管を確保しておくべきである。冷汗は心筋梗塞、低血糖発作で頻度が高く、出れば出るほど重症である。末梢冷感は末梢循環不全すなわちショックそのものである。眼瞼結膜は貧血の診断で重要であるが、ショック患者も貧血と同様に白くなる。ショック患者の治療には昇圧剤の投与であるが、血圧が戻ったから安心はできない。安心できるのは血圧が上がって尿量が安定してからである。

 冷や汗は一番まずいサイン。大動脈解離の方を何人か診たが、すごい発汗だった。