2013年6月4日

ノバルティス社のディオバンという降圧薬に関する臨床研究に問題があったようです。

いちいちすべての臨床研究に疑いの目を向けなければならない状況は、あまりに非効率です。

臨床研究に加わった教授達、高血圧学会すべて信頼度ゼロになりました。

 2004年8月1日、米国の新聞ワシントンポストに世界で最も権威のある医学雑誌であるニューイングランドジャーナルオブメディスンの名誉委員長のKassirer JP氏が、2面ぶち抜きの記事を書き、医学会と製薬企業との不正な経済的結びつき(利益相反)を内部告発しました。これ以降、利益相反の強い人は、公的な委員には就任できなくなりましたし、医学論文の投稿時や研究補助金の申請時には製薬企業との経済的な関係を公表することが義務付けられるようになりました。

するとどうでしょうか、2006年以降に発表された無作為化試験では、従来スタチンが必要と思われていた糖尿病患者、家族性高脂血症、大動脈狭窄症、慢性心不全、心不全患者、血液透析患者、心筋梗塞患者でもスタチンが不要とされる結果になっているのです。米国コレステロール治療ガイドラインは2004年にマイナーな変更が行われて以降は、発表されることはなくなりました。米国では、内科医師会が1996年、2004年、2007年と繰り返し声明を発表して、コレステロール値を測定する必要があるのは、若い人で家族性高脂血症の疑いのある人のみとして、検査そのものを制限していました。