夏井先生ブログより・・・医師の「善意」
夏井 睦
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本日の夏井睦先生のブログへの投稿 引用
形成外科医の私は、おそらく一般の方や、他科の医師の方とは違った読み方をしていると思います。
かつて、しなくてもいい手術をしてしまった慚愧の想い。あの時のあの患者さんは、植皮の瘢痕を見て辛い思いをしていないだろうかという懸念。それらが全て取り返しのつかないという事実に気付いてしまうことは、非常に重い十字架を背負うのに等しいものがあります。
そして、当時の自分が一点の曇りもない『善意』で、その手術を行なっていたことを、他でもない自分が良く知っています。
医者の『善意』を翻すことは、医者自身がそうしようと思わない以上不可能です。
だからこそ、今なお同じように起こっている悲劇を即座に避けるためには、申し訳ないけれど患者さん側に『知って』『逃げて』貰うしかない。幸い、急性期を過ぎた熱傷は命に関わることは少なく、移動することだって出来る外傷なのだから。
形成外科医としての私は、そんなことを思いながら読みました。1人でも多くの人がこの本に接する機会を持ち、無用の悲劇がひとつでも少なくなるよう、私も願っています。