糖尿病性腎症の初期から透析期まで、糖質制限は問題ない

このたび機会をいただき、福岡市の腎臓専門医 塚本雅俊先生とお会いすることができました。

塚本先生は、糖尿病の糖質制限を指導しておられます。

実際の臨床経験からも、蛋白制限の優先度が低いことを教えていただきました。

糖尿病性腎症の初期から透析期まで、糖質制限は問題ない

1. タンパク質制限が腎疾患の進行を抑制する根拠が乏しい

2. 腎臓病から起因する心疾患予防にはタンパク質制限より、糖質制限と塩分制限の優先順位が高い

3. 高齢な患者さんには栄養補給という意味でもタンパク質摂取は必須

 

 

糖質制限へのお墨付き

https://tsukamotoclinic.com/wp/wp-content/uploads/2018/07/d4a6e8427a85b5109e6b4e4fbb79e9e6.pdfより

アメリカ糖尿病学会は2008年から糖質制限食を糖尿病治療に期限付きで用いることを認め、2013年からは無期限に継続可能としています。

英国糖尿病学会も2011年に糖質制限食を認めています。

スウェーデンでは成人国民の23%が程度は様々ですが糖質制限を行っています。

日本糖尿病学会は公式には糖質制限食は推奨していませんが、学会理事長である東京大学教授の門脇先生自身が糖質制限を実践し、東大病院糖尿病内科では患者さんの希望により糖質40%の緩やかな糖質制限食を提供しています。

 

メモ

①微量アルブミンが出るメカニズムは、輸出細動脈がしまって、糸球体内圧が上昇し、過剰ろ過がおこることによる。

ボディービルダーは、筋肉量が多く、クレアチニンが上昇しやすい。さらに、クレアチンサプリを飲むと上昇する。 シスタチンCで確認すればよい。(ちなみに、ボディービルダーはすごい高たんぱく食です。)

腎臓の検査として、最も重要なのは、尿タンパクである。

④生まれつきの片腎は、将来問題となるようなことはない。

⑤腎不全が進行すると、リンとカルシウムが高くなり、動脈が石灰化する。リンの摂取のしかたが大切。(マグネシウムも大切かな?)