入所者の帰宅願望
ドクターサロン 2026年2月号より 内田陽子先生
①まず「家に帰りたい。先生、何とかしてください」と何度も訴えられた場合は、「家のことが心配なんですね」と答えてあげてください。きちんとした解説や回答はしなくても、それを聞いてあげる。それはあたかも患者さんを問診するのと同じような感覚で聞いてあげたらよいと思います。
②「漬物が腐っていたら心配だから家に帰りたい」と言われましたら、「わかりました。職員の人に私から指示を出しますので」と言って、紙に書くような行動(処方箋をかく姿)を示して職員に「はい、お願いします。今、私は指示を出しましたから、ご安心ください」と対応する方法があります。
③もう一つは診察ですね。「家のことは心配しないで」という言葉だけでなく、「あなたがお家のことを心配されているとお身体にさわりますから、ちょっとお身体をよく見せてください。」と言って、頭や体、手足をこまめなスキンシップとともに、触診しながら、聴診器を当てて丁寧に診察します。手を握ったりすると、「あったかいですね、先生」と言われます。
④丁寧に診察をしていくと、それだけで自分のことをとても大切にしてくれる頼もしい人がいる、と安心されます。悲壮感いっぱいで、「家に帰りたい」と言っていた方が笑顔になってくるので、丁寧に体をみてさしあげることをお勧めします。
⑤私たちは味方ですよ、とサインを送る事。それを大げさに振る舞うと効果的です。
⑥人は気持ちがみたされると、かえって他者に気配りができるようになります。