内分泌疾患の見抜き方
上記より引用
高カルシウム血症とDKAで共通している症状は口渇・多飲・多尿です。これらはいずれも嘔吐よりも高頻度ですのですのでスクリーニングの問診として適しています。病態が進行すれば出現します。また高カルシウム血症は便秘も高頻度に認められます。
高カルシウム血症やDKAでは循環血漿量減少を伴い、またDKAでは代謝アシドーシスを伴うことからバイタルサインにも注意が必要です。頻脈や頻呼吸がなければこれらの疾患の可能性は低くなります。
副腎不全は、①倦怠感②食欲低下(陽性なら体重減少)③低血圧、が嘔吐よりも高頻度に認められる所見です。
内分泌疾患による嘔吐の可能性を疑うときは全身状態とバイタルサインの評価がより重要です。ただし、低ナトリウム血症による嘔吐には注意が必要です。低ナトリウム血症は悪心・食欲不振で始まり進行すると意識障害をきたします。しかし、特異的な症候は乏しく、むしろ悪心以外に症候が乏しいことが特徴です。
コメント:見逃されやすい内分泌疾患!