午前1時、今専門医を呼ぶか? それとも朝にするか?

上記より引用

午前1時、今専門医を呼ぶか?それとも朝にするか?当直医として一番難しい問題であり、ここに救急医学の本質がある。この症例は深夜でも専門医を呼ぶべき患者であったが、朝になってから相談すればよい患者と誤認されたのである。潰瘍の穿孔でも、時には板状硬とならない患者もあり、少しでも穿孔を疑ったなら朝まで待たずに呼ぶべきであった。

当直医の仕事とは救急室に受診してくる患者を以下の4段階の救急に正確に分けることである。

①最高の救急:患者は生命危機の状態に直面しており、専門医や応援医師を呼びつつ、その医師たちが駆けつけてくる間も自分で何かを始めなくてはならない患者群(心肺停止やそれに近い状態、ショック、チアノーゼのある呼吸困難など)。

②できるだけ早く専門医の知識、技術が必要な救急患者であり、深夜でも専門医を呼ぶべき(あるいは専門医のいる病院へおくるべき)だが、専門医が来るまで(あるいは専門医のいる病院に到着するまで)は待っていても良い患者

③入院加療を要し、専門医の知識技術が必要となる可能性が大きいが、翌朝までは自分が主治医として応急治療をし、翌朝、専門医にコンサルテーションして以後のことを決めればよい患者群。

④入院加療を必要とせず、救急室で苦痛をやわらげる治療だけで翌朝の専門医の外来に受診するようアドバイスするか、その場限りですませてよい患者群。