COVID-19ワクチン接種後に急激な転機を辿った血管内大細胞型B細胞リンパ腫の一例

日本内科学会雑誌 2025年1月号より 都立駒込病院の報告・・・血管内リンパ腫はめずらしい。

84歳女性。4回目のCOVIDー19ワクチン(コミナティ)を接種した翌日より持続する発熱と血小板減少を認めた。リンパ腫や白血病が疑われ骨髄穿刺を施行したところ、血管内大細胞型B細胞リンパ腫の疑いとなり、後の病理解剖にて同疾患の確定に至った。COVID-19ワクチン接種後に持続する発熱や血小板減少の鑑別には、リンパ腫を考慮する必要がある。

・血管内大細胞型B細胞リンパ腫はリンパ節腫大を伴わない稀なリンパ腫で、しばしば不明熱の原因となる。

・関連は不明だが、COVID-19ワクチン接種後にリンパ腫が発生した症例報告が複数そんざいする。

・COVID-19ワクチン接種後に発熱や血球減少などの異常所見を呈する場合は、リンパ腫を鑑別にあげる必要がある。

 

CTでは肝脾腫、両側胸水、データはLDH, 尿酸値、 可溶性IL2レセプターが著増。 血小板減少。いわゆるアグレッシブな悪性リンパ腫の経過。

当初、ワクチン起因性TTPを疑われ、ガンマグロブリン大量投与が行われた。骨髄生検により、血管内リンパ腫が疑われた。

ワクチン接種後の悪性リンパ腫の12例が挙げられている。

 

しかし、多くの症例で接種後1~10日で急速に症状が出現している点は特徴的で、本例の経過とも共通している。

ひとつの仮説として、元々背景にあった、indolentなリンパ腫がワクチンの接種により活性化された可能性が考慮され、実際にCOVID-19ワクチン接種後7日にmarfinal zone lymphomaが増悪した剖検例がある。

 つまり、ワクチンで免疫が毀損されたということだろう。