進行期肺がんに対する免疫療法の進歩
日本内科学会雑誌 2023年6月号より
以下引用
進行期肺がんに対して長らく初回標準治療であったプラチナタブレットは、PD-1阻害薬を中心とした治療にその座を譲り、0~数%であった5年生存率は20-30%が標準的となった。一方、PD-1阻害薬への細胞障害性抗がん剤併用は、短期的生存率改善を示すものの、期待された免疫賦活による長期的生存率改善効果をこれまで示していない。これに対し、抗CTLA-4抗体併用により長期効果が改善される集団が主にPD-L1<1%群に含まれること、抗VEGF抗体併用により効果改善が期待される集団はEGFR mt 肺癌に存在することが示唆されている。適切な併用療法を選択できるバイオマーカーの開発が、さらなる複合免疫療法の進歩には欠かせない。
プラチナタブレット:プラチナ製剤併用2剤化学療法