長期のビスフォスフォネートの使用 ケースレポート

広島医学会総会ポスターセッションより 2023年

長期のビスフォスフォネート治療に関連した非定型尺骨骨折に対する保存治療と手術治療の比較  1例の5年の追跡調査
府中みのりクリニック

背景 骨粗鬆で長期にビスフォスフォネートの治療は骨代謝回転抑制により骨質が硬化しメカニカルストレスによるダメージが蓄積し疲労骨折がおこる。
症例 91歳 女性
経過 脆弱性胸腰椎圧迫骨折で13年間ビスフォスフォネート服用していた。7年前に右尺骨骨折で近医にてプレート固定を受けた。数か月後再骨折になりプレートの破損にもなった。再手術せず放置した。5年前に左肘化膿性関節炎でX写真は左尺骨近位端に薄い横骨折線を認めた。4年前に左前腕近位部に無痛性の腫瘤に気づき、X線で左尺骨骨折後の偽関節を認めた。3か月ギプス固定で骨膜が骨折部を癒合した。ビス剤中止後テリパラチドと低強度パルス超音波で2年間治療した。右AUFは装具で固定した。骨折後5年、X線、CTとMRIで左AUFは骨膜骨新生で治癒し、右AUFは偽関節のままになった。

考察 この症例は脊柱後湾変形で押し車に体重を支えながら歩行するために尺骨疲労骨折になった。左AUFは骨膜の骨形成による骨癒合で右AUFの骨膜が破損され骨膜の形成不全になった。手術の場合に骨折断端の新鮮化、骨移植と強固な内固定により成功率が高くなると報告している。

コメント:ビス剤の使用がなければ、骨癒合を得れていたのか?