60歳うつ 発売

フェイスブックより引用

秋田先生の本、本日発売になります。
対談・分子栄養療法が“60歳うつ”を救う、藤川徳美×秋田巌~その9
*なぜこの方法が広まらないのか
秋田 産後うつも鉄、タンパク不足ですよね。ですから、鉄、タンパク質不足を解消するだけで大部分が治ってしまう。どうしてこのシンプルで効果的な治療がもっと広がらないのか、不思議でたまりません。
私は心理療法が専門ですから、藤川先生とは立場の異なる精神科医なのかもしれません。それでも患者さんが治ることが第一目的ですから、いい治療法があるなら取り入れたいと素直に思います。
分子栄養学は、藤川先生のように突き詰めて研究なさっている人にとっては非常に奥の深い学問だと思いますが、まず患者さんが回復するための知識くらいですと、そんなに難しくないじゃないですか。
藤川 そうですよ。一般の方でも本を読んで学べば、実践は難しくありません。
秋田 しかも、藤川先生は日々SNSで発信され、本にまとめられています。勉強するのに10年もかかるというようなものでなく、ほんの数ヶ月勉強したら、医者だったら使えるようになるわけです。それを使わない理由はないはずなのですが。
藤川 医者は医学書や医学論文は読むけど、一般書は読みませんから。
秋田 私は3年間スイスのユング研究所にいましたが、自分で言うのもなんですけども、専門書ではかなり勉強しました。しかし、専門書には新しい知見がないのです。帰国してからは一般書を読むようになりました。
藤川 最新の内容はね、専門誌には出ません。一般書にあります。なぜなら、パラダイムが違うから受理されないのです。
秋田 まったくその通りです。
藤川 査読する人が理解できませんから、却下されます。もう専門書の時代は終わりました。真実を伝えたいと思う医者が本を書けばいいのです
*医学会を脱会した理由
秋田 少し前に日本精神神経学会を脱会されましたよね。良きことは何でも真似しますので、私も5つほどの心理関係の学会をすべて脱会しました。
藤川 私も学会や勉強会に意味を感じなくなりました。従来の考えが刷り込まれたままで、その考え方を変えるのは不可能ですから。それより患者さんを治したいという切実な思いがあり、頭が柔軟な一般の人を相手にして話を展開する方に実りがあります。
秋田 医者の思考は、利権に絡み取られた製薬会社パラダイムです。それが医学教育にも影響して、医学部では本当のことは教えられない。90年代の始めくらいからこうした流れが続いています。医学教育に期待するのは無理ではないかという気がします。
藤川 無理でしょうね。
秋田 私は心理療法の専門家ですから、手間をかけてカウンセリングをするということの効果は否定していません。ただ、いかんせん、時間がかかるのです。
藤川 森田療法あたりは、やはり効果があるとは思いますよ。あと、昔は内観療法もしたことがあります。
秋田 そうですか、内観療法はすばらしいのですが、こちらもやはり時間がかかります。
藤川 確かに、手間がかかります。
秋田 それと、いい心理療法はいくつもあります。しかし、いいセラピストが本当に一握りなのです。カウンセリングにしろ、森田療法にしろ、内観療法にしろ、ユング派心理療法にしろ、精神分析にしろ、それぞれの小さな山を極めておられる人がいて、それなりの成果はあるのです。ただ、やはり栄養に着目しないで心理療法だけをしても効果は限定的だと痛感しています。
*分子栄養学のこれから
秋田 とにもかくにも、日本人の精神性もどんどんと衰えています。戦後教育の影響もあると個人的には思っていますが、藤川分子栄養学をやって体から元気になってきたら、精神性もおのずと高まってくると思います。勉強する力も増してくると思いますし。だから藤川分子栄養学のこれからの果たすべき役割というのは、本当に大きなものがあると期待しています。
プロテインファーストの会を提案なさっていましたが、給食にプロテインを出すとか、女子には鉄サプリを国策で支給するとか、徹底して広がらないといけないと思いますね。
藤川先生は毎日発信されて、存在自体が宣伝になっています。ですから、私のような医者がどれだけ援護射撃できるかということが課題になると思います。
森田療法の森田正馬先生は歴史に残りました。藤川徳美先生のお名前が歴史に残らないということになってはいけません。これがどれだけすごいかということを世間が、そして医学会がちゃんと認識をしないといけない。それぐらいの力のある治療法を先生は確立しておられます。
藤川 わたしはひたすら“日々発見”です。
秋田 さすが! 生き方からにじみ出るリアリティのある言葉、身の引き締まる思いです。我々の年代になると、そんな気力は残ってない人がほとんどで、今まで勉強したものでなんとか逃げ切ったらいいと思っている人が多いでしょう。それこそ60歳を過ぎても既存のパラダイムに捉われない、覚悟ある生き方のあらわれです。
藤川 お互いにがんばりましょう。
秋田 今日はありがとうございました。心より感謝申し上げます。
秋田 巌:60歳うつ (PHP新書)、