仮説と実証

日臨内ニュース2019年11月25日号より

 ”KL-6”を発見したことによって始まった内科診断学への挑戦 河野 修興先生講演より

 

2018年には日本で約400万検体と、KL-6の測定数が増えている。その発見者である演者は、中学2年の理科の思い出を披露した。科学は、「仮説と実証から成り立ち、学問ではなく手法の1つ」。

 

科学は目に見えないものを対象とし、その優れた成果は人類の生活を数倍から無限大に改善しうる可能性がある。膨大な数の独創的な研究を実施しなければ、欧米先進国との競争には敗れる。35歳でアメリカ留学して驚いたのは総説雑誌がほとんどないこと。他人の解釈を信じない勇気も重要である。「研究は国際的に、診療は草の根から」と。独創性・多様性(原著論文)を重んじ、必要なトレーニングは怠らず実行すること。

 河野先生(当時講師)の講義を愛媛大学のキャンパスで聞いたのが忘れられない。他の先生の講義と全く違っていた。
「本を読んだらわかることを説明する意味はない。自分で読みなさい。」
「仮説を立てることの重要性」
「やはり英語の教科書を読まないといけない。日本語の教科書はウソが多い。」

 バカなのですぐに感化されてハリソン内科学(当時は英語版しかなかった。)を買った。(痛い出費だったが)
 おちこぼれているのにハリソンを読み出したので、友人が大笑いした。
 何ページか読んでみたが、あまりにめんどくさく、枕として使っている写真をとって記念にした。