妊娠と亜鉛・・・亜鉛の基礎と臨床より
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上より
4 妊娠と亜鉛
亜鉛は妊娠の継続にとって非常に重要です。妊娠によって血清亜鉛は顕著に低下します。妊娠していない時に約90μg/dlある血清亜鉛値は妊娠時には約半分の45-50μg/dlまで低下します。遊離の亜鉛は25-30μg/dlあり、これが胎児へ移行すると考えられています。子宮の中の羊水の亜鉛の濃度は母親の遊離亜鉛濃度(10μg/dl)にほぼ等しく、母親の血清亜鉛が低下しても生まれる胎児の結成亜鉛は正常字のそれに近い80-90μg/dlの値が保たれています。毛髪中の亜鉛も出産後の婦人では妊娠前の半分に減っています。それだけ、亜鉛を子どもにとられてしまうということでしょう。
動物実験によれば、雌のラットを妊娠直後から極度の亜鉛欠乏食で飼育すると、約半数では妊娠の継続が困難となり、胎児は死亡するか吸収されてしまいます。出生できた場合でも80-90%に奇形が生じます。
”90%の妊婦が亜鉛不足”、”妊娠中の亜鉛値が40以下となると流産の可能性が高くなる”、との記述もあります。
鉄不足と同様に、知られざる大きな落とし穴といえるのではないでしょうか。
この半年間ほど、爪の白斑(現在の亜鉛欠乏のサイン)、歯の白い部分(歯の形成期の亜鉛不足のサイン)をチェックしています。
この2つの所見が、全く珍しいものではないことに驚きました。